イノたまごラボ・あのぶる の「こんなの作ったよ!」

「イノたまごラボ」はひとり同人サークルのようなものです。今のところ同人誌は作っていませんが、ソフトウェアからイベントまで、心惹かれたものを細々と。

プログラミングで使う名前を考える(後編・辞書の力を借りる)

前編はこちらから。どっちから読んでも大丈夫だと思います。

blog.innotamago.com

辞書を引く

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辞書を引くときは大体こんな感じで引いています。1の手順が一番厄介なのは秘密…

  1. オブジェクトの役割をとりあえず日本語で言語化してみる
  2. 日本語の類語辞典でしっくり来る表現を探す
  3. ↑で見つけた表現で和英辞書を引く
  4. 候補がいくつか出て来る場合、それぞれ用例を引いて一番しっくり来る表現を探す→見つかったら終了
  5. どれもしっくり来ない場合、英語の類語辞典で近い表現を探し、用例を引いてしっくり来る表現を探す
  6. 納得するまで4と5の繰り返し、時々1や2に戻る

と言うわけで、「日本語の類語辞典」「和英辞典」「英和辞典」「英語の類語辞典」はわりと頻繁に使っています。時々英英辞典も引きます。codicのようなプログラミング特化の辞書も便利なのですが、なかなか細かいニュアンスを捉えた名前をつけるのは難しい印象を持っています。と言うか構築するサービス業界のタームにかかる部分を含めて考えないといけないので、一般的な辞書の方がいいのかなと思っています。もしかしたら私がこだわりすぎなのかもしれませんが。

日本語向けも英語向けも、Webサービス類語辞典があります。
やっぱりWeblioが有名どころですかね。

thesaurus.weblio.jp

ejje.weblio.jp

英語が母語ではない私が正しいニュアンスを反映するには参考になる用例をどれだけ見つけられるかが鍵になるので、個人的に連語表現を含め用例が多く検索出来るスペースアルク英辞郎は大助かりです。ProLiteの利用がお勧めです。

eow.alc.co.jp

英語圏に放り投げられても英語で不自由のない意思疎通が出来るという確信のない(私のような)人は、なんとなく知っている単語でも辞書を引く癖をつけた方がよいです。私の観測範囲では英語が不得意そうな人ほどこの辺テキトーにしていることが多い印象なのですが、辞書を引いてみると意外と自分の思っている使い方が間違っていることに気付きます。registっていう実在しない英単語を「登録する(動詞)」っていう意味で日本人は使いがちだ、という話は一部界隈でとても有名なんですが、その手の間違いがグッと減ります。間違っててもなんとなく文脈で推測出来るレベルならまだ良くて、下手すると真逆の意味になってたりミスリードを起こして意味不明になっていたりします。未来の自分も含め、後からコードを読む人はめっちゃ困ります。ええそりゃもう。

まぁ、なんと言うか、一つだけ間違いなく言えるのは、日本語の方も英語の方も結構語彙力が試されます、名前決め。

辞書以外の調べ方

Wikipedia活用法

若干変わった(?)Wikipediaの使い方をして、適切な訳語を確認することもあります。
調べたい言葉の日本語版Wikipediaページを開き、PC版だとページ左下にある各言語版へのリンクから英語版ページに飛び、英語での名称を確認するという感じ。専門用語だったりとかで辞書では訳語が見つかりにくいときに使える方法です。

実は前編で「Crew」が「戦車の乗員」を表す言葉として使えることを似たような方法を使って確認していて、英語版Wikipediaで「Tank(戦車)」のページを開き、ページ内検索で「Crew」を「戦車の乗員」を意味する言葉として使用している(ように読める)ことをチェックしていました。ある程度和英辞典と英和辞典の往復で当たりをつけることができれば、こんなやり方も出来ると言う例です。

その他、ゲーム案件で使えそうな調べものサイト

例えば「格ゲー用語の英語対訳」とか特定ジャンルの用語を知りたい場合、ニコニコ大百科ピクシブ百科事典も結構参考になります。あとは多言語展開しているゲームの攻略Wikiとかも見ます。シューティング系の用語を調べるのにスプラトゥーンの各国語対訳表を見たりとか。

この手のサイトは、好きな人はわりと読みふけってしまうので注意しましょう。側からみるととても真面目な調べ物をしているようには見えないと思います

と言うわけで

ある程度までは英語のスキルかテクニックとも言えないようなものの積み上げでどうにかなると思っているんですが、なんか現状の私の表現力ではどうしてもセンスとしか形容のできない何かがあるような気がしていて、説明にとても困っています。私がセンスあるかどうかは別として

いつか説明できるようになったら続編記事を書こうと思います。期待しないでお待ちくださいませ…

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完全に余談・フィクション世界での名付けについて

フィクションの世界では工学系全般(もしかしたら科学系全般なのかも)に関わる人間はなんだか無機質かマッドサイエンティストかの両極端で表現されがちなのですが、OSSプロダクトの名前を見ていても、この世界は結構ポエミーな名付けが多いような気がしています。

あるドラマで速水もこみち演じるアンドロイドをメーカーの人間が「01」とか呼んでましたが、あれは工学系の人間としては結構そっけなさ過ぎる印象を受けました(お前が代表するな、というツッコミはごもっともでごさいます…)。一番愛着あるはずの作った本人がそんな名前付けるわけがない*1んですよ。今なら絶対「オリーブ太郎」とかコードネームつけてる。

我が子も同然、と言ったら大げさかもしれませんが、面倒を見ているシステムへの愛情は相当のものがあるのが本来の技術者や科学者の姿と私は思います。

*1:逆に機械的な名前をつけるなら多分いかにも中二病っぽい感じにするか、ネタを仕込む